『自由に至る旅』 花村萬月 集英社新書
私がキャンプツーリングにはまるきっかけになった本の紹介です。
私の好きな小説家である花村萬月氏が自分の体験を元にキャンプツーリングについて語った本です。
本文の一部を抜粋しつつ、この本の紹介をしますね。
もし気になったらぜひ読んでみてください。バイクに乗る方なら共感する部分も多々あるでしょう、バイクに乗らない方なら、バイクに乗って旅をしたくなるかもしれません。
自由ということについて、旅について、北海道を走ったこと、日本全国を走ったことなど、色々書かれております。
とりあえず、バイクとバイクの免許とちょっとしたきっかけさえあれば、旅に出ることが出来る。
旅に出れば、日常生活では体験するすることのなかった、様々なことが起こり得ます。

バイクは前から持ってましたが、長距離ツーリングすらしたこともなかった私が、いきなり北海道ツーリングに行くきっかけとなったのはまぎれもなくこの本を読んだことから始まってます。

俺の場合、ただ走っていればいいのです。できうる限り長い期間、旅を続けたい。そのためには徹底的に倹約する。美味しい食事よりもガソリン代です。
(中略)オートバイによる旅とは、自分でルールを決めて、それを全うするゲームなのです。このゲームにおける金銭は、必要悪といったところがあります。ですから必要最低限にとどめておく必要があります。

(中略)オートバイによる旅の醍醐味は、他人まかせにしない、ということに尽きる。(中略)俺は、御主人という柄ではない、どうせなら主人公になりたい。つまり快適な傍観者よりも、自ら選んだ手頃な過酷に対処して、自身で掲げた目標を貫徹達成し、なんらかの自己満足を得る立場を選択したい。

(中略)それと、もうひとつ。あなたには家庭があり、職場があるでしょう。つねに人に囲まれて生きている。ときどき息苦しくなりませんか。
独りで走る野宿旅のよいところは、人と交わらなくてすむことです。旅先で積極的に人と交わるのが旅の醍醐味である、なんてことを吐かす奴もいるけど、無理することはない。ひたすら黙りこくって走ってもいいのです。ルールを決めるのは、あくまでも自分ですから。押しつけられた孤独は辛いものですが、自ら選択した孤独は、その感傷的側面をもふくめて格別です。

本文の一部の引用です。
これは私のキャンプツーリングのスタイルに多分に影響を与えているようです。
旅に決まりごとなんかないんですよね、自分の好きなように走ってくればいいんです。

観光地で観光するのが楽しければ、観光をメインにすればいい。
温泉が好きなら、温泉巡りを中心に置くのもいい。
美味しいものを食べたければ、美味しいものを食べに行くのもいい。
ただ走ってることが好きならひたすら走ればいい。

とりあえず、ルールは自分で決めればいいんです。
そうゆう風に割り切っちゃえば、他の人が何と言おうと関係ないんですよね。
北海道に、1人でテント積んで走ってきました!と言うと、えっ?なんで1人?えっ?ひたすら雨なの中走ってたの?楽しい?
などと言われたものですが、自分が楽しいと思えれば、それで良しってことです。

とりあえず、この本に関心を持たれたら、ぜひ読んでみて下さいね。

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